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株式会社 小倉商店 様 お客様のこと

事業内容水産物仲卸業・加工業
所在地

岡山市南区市場一丁目一番地

お問い合わせ

086-265-3939

HP

https://www.setouchi-ogura.com/

お話

代表取締役 小倉 正幸 様

奥様    小倉 紀子 様

経理    岡本 明美 様

インタビュアー

監査担当:A  総務:S

インタビュー時期

2024年9月

株式会社 マスカット薬局 様

お客様のこと

 普段何気なくスーパー等で手に取っているお魚が、どうやって皆様のご家庭まで届いているかご存じですか?

 今回は、岡山の中央卸売市場で水産物の仲卸業を営まれている、株式会社小倉商店さんをご紹介します。

 食の欧米化で魚食文化が衰退している中、小倉商店さんは岡山の美味しいお魚をご家庭に届け、食材を通じて食卓に笑顔が溢れることを願って事業を展開されています。取引先は鮮魚店だけでなく、学校給食や病院給食、ホテル、スーパー等と多岐に渡るため、もしかしたら皆様も知らず知らずのうちに小倉商店さんのお魚を口にしたことがあるかもしれません。

 事業内容としては、中央卸売市場内での水産物の仲卸業とあわせて、水産物の一次加工もしています。具体的には、仕入れた魚を開いたり、切り身にしたり、冷凍処理をしたりと、お客様ごとに扱いやすい形に加工して納品をされています。また、毎月監査に行くたびに驚くのですが、小倉商店さんは従来の水産物仲卸業の型にはまらない柔軟な発想で様々な商品開発をされており、今ではそれらが岡山県のふるさと納税の返礼品や百貨店のギフト商品に採用されたりもしています。

★ここからは小倉商店さんのことについて、社長さんと奥様に詳しくお話をお聞きしました!

小倉商店さんの『強み』はなんですか?

 市場という立地のおかげで岡山に入ってくる魚を一番にすべて見ることができ、地の利を活かした水産物の提案を行える、というところです。

 また、商品開発にも力を入れていて、岡山の市場で唯一、水産物をアルコールで急速冷凍できる「凍眠」という機械を導入しています。瀬戸内の代表的な天然の白身魚には真鯛、ひらめ、すずきなどがありますが、それらがたくさん捕れたときに急速冷凍することで鮮度を保持し、旬な状態の魚を一年中提供することが出来るという強みもあります。


これまでで嬉しかったエピソードにはどんなことがありますか?

 瀬戸内の魚の干物や骨切り鱧、急速冷凍した商品など、従来の岡山の市場にはなかった商品を新しく企画し、それが既存のお客様だけでなく新しいお客様にも採用されていることです。これまで何年もかけて培ってきた技術力と設備の力ですね。


 例えば、去年初めて百貨店さんのギフト商品として販売した『天然真鯛と鱧のしゃぶしゃぶセット』は、一気に200セット以上という驚異的な数を売り上げることができました。岡山で水揚げされた魚を当社で加工して岡山の特産品として出す、というひとつの流れが出来上がっています。

 また、当社では鱧の骨切り機を導入しており、これを使えば太い鱧も細い鱧も同じように調理ができます。すると、これまでほとんど値段がつかなかった大きい鱧の方が実は味が濃くて美味しいことに気づきました。となれば大きい鱧をそれなりの値段で仕入れることができ、結果的に生産者の方にその分の利益がいくことになります。まさにSDGsの考え方にマッチしています。

 それに気づけたことも、嬉しかったことのひとつですね。


大変だったエピソードはありますか?

 一番大変だったのは、料理屋さんと岡山県漁業協同組合連合会さんと当社の異業種三者で協力し、クラウドファンディングを実施したことです。

 鮮度が高くて美味しいにも関わらず、形が悪い、傷がついている等の理由で市場に流通しない瀬戸内の「未利用魚」を使って、「鯛茶漬け」「鯛のフレーク」という商品を開発しました。

 しかし、その途中で私が入院することになり、後半は私抜きでやっていただくことになりました。一時はどうなることかと思いましたが、社員の皆さんの協力を得ながらなんとか前に進み、無事クラウドファンディングを成立させることができました。その時に頑張ってくれた社員の皆さんにはとても感謝しています。


今後の夢や目標はなんですか?

 現在では、小売りの専門店である鮮魚店さんはどんどん減少しています。鮮魚店さんで専門的な話を聞きながら今日食べるものを考えたい、というようなお客さんが行き場を失っている状況です。魚について語れる人や目利きができる人は今では市場にしかいません。

 ですので、当社が小売店さんの業務を継承し、その役割を担う必要があると思っています。当社がBtoCの世界に参入することによって、美味しいものを食べたい、季節のものを食べたい、色んな変わったものを食べたいという皆様のお役に立てればと思っています。

 食事というのは「楽しみ」。コミュニケーションを図る上で基本的なものです。

 「同じ釜の飯を食った仲」という表現もあるように、食事には不思議な力があります。安心安全で美味しい水産物を食べてほしいというのはもちろんですが、それを通じて皆さんに話題を提供し、和気あいあいと食事をしてもらいたいというのが願いです。食事の大事さを皆さんに知ってもらい、「食事を楽しむ」という文化を継承していけたらと思っています。

 皆さんにもっと地元の魚を食べていただき、生産者の仕事を増やし、みんなで自然の恵みを享受していくことができればとても嬉しいです。


インタビューを終えて 担当A

 あおば税理士法人でも、年末になると小倉商店さんで色々な商品を注文することが定番となっています。それぞれの家庭に持ち帰り、家族と一緒に食卓を囲み、その商品の美味しさで食卓に笑顔が溢れています。ただ買って帰るのではなく、「こうやって下処理をしてね。」「こうやって味付けすると美味しいよ。」といつも教えてくださるので、更に美味しくいただくことが出来ます。今年は年末に何を注文しようか、今から楽しみです!