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事業内容 | 訪問診療 |
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所在地 | 倉敷:倉敷市大島534-1 岡山:岡山市北区奉還町1-7-7 オルガビル1F |
お問い合わせ | 倉敷 TEL:086-424-0283 岡山 TEL:086-254-0283 |
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お話 | 理事長 中村 幸伸 様 |
インタビュアー | 監査担当:K 総務:S |
インタビュー時期 | 2021年11月 |
今や日本は長寿大国となりました。平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳(2019年、厚生労働省HPより)と、驚きの数値です。私は87歳まで生きられる自信がありません…。
また日本は超高齢化社会にも突入していて、テレビなどで2025年問題を耳にされることもあると思います。日本の現状、そしてこれからどうなっていくかを見据えて、社会や医療を取り巻く制度や仕組みを理解し、自分にできることをやっていこうと思います。
私が今回インタビューをさせていただいた、医療法人つばささんは、在宅に特化した訪問診療をされています。24時間365日(スゴイ!)、在宅の患者さんに対応できる体制を作られ、患者さんがご自宅でできるだけいい形で過ごせるよう支援をされています。
令和3年1月に弊法人のお客様に、理事長の中村先生が書かれた『畳の上で死にたい』(幻冬舎)をお配りさせていただきました。
介護は誰もが経験し得ることです。病院に入院するのか、施設に入るのか、家で介護をするのか…選択肢はさまざまで、その時の状況によって選べる方法も違ってきます。そして、介護は起こってみないと、その大変さやどんな制度があってどんなサービスを受けられるのか等、分からないことだらけです。
今介護をされている方、これから介護をされる方、いろいろな方の選択肢に“訪問診療”をぜひ入れていただきたい。そんな思いでお配りさせていただきました。
まだお手元にないという方も、ぜひご一読ください!!
単独で外来の病院に通院が困難な方であることが条件だそうです。
なので、訪問診療をしてほしい!と思っていても、全員ができるわけではないようです。
2つ目は、もともとお家での療養に関わっているケアマネージャーさんや訪問看護さんからのご依頼だそうです。
3つ目は、直接ご家族の方からの電話でのご依頼も受け付けているそうです。
医療法人つばささんの強みは、在宅医療に特化されていることです。
訪問診療している診療所は県内には他にもあります。でも24時間いつでも往診可能なところは少なく、しかも複数の医師のグループでやっている、というところはもっと少ないそうです。
そういう体制でされているので、かなり症状が重い方や医療処置が大変な方にも対応しやすいとのこと。他の訪問診療では診られない患者さんも診ることができるそうです。
患者さんに対しては、せっかく住み慣れた自宅にいるので、安楽に過ごしてほしい、笑顔で過ごして欲しいとの思いでされています。そのためには、お一人お一人のご希望やご意向を大切にしたい。それは理事長お1人だけでなく、スタッフ全員でその思いを共有し、ベクトルを合わせて診察にあたられています。
朝一番のミーティングでは、岡山クリニックと倉敷クリニックをネットでつないでモニター越しに全体でカンファレンス(会議)を行われています。
また、職員さん1人1人が持ち回りで1分間スピーチをしているそうで、最近のテーマは「最近感じた小さな幸せ」だそうです。職員さんがどんな思いを持っているか、日々どんな感覚で過ごしているかを知ることができるいい機会になるとのこと、素晴らしい!!
24時間365日、医師、看護師、ドライバーのグループを組み、3人で回っていらっしゃいます。医者がリーダー!という感じではなく、みな同列でお互いに気を使いながら、助け合いながら働くように心がけておられます。
チームワークが悪くなると、患者さんに迷惑がかかるので、チームでひとつになって患者さんをささえることが大事だそうです。
理事長さんは、患者さんのご希望に寄り添うことを大事にされており、それは仕事としてではなく、人対人の関わりとして大切にされています。
インタビューの時に「そういえば先日ね…」という感じで、以下のエピソードを聞かせていただきました。
『ついこの間、患者さんに“思い出のカフェに行きたい”と言われた。
たまたま次の日の予定が半日空いていたので、“もしよければ一緒に行きますよ”と言ったら、患者さんは半日ほど考えて“せっかくだからお願いします”と言われた。
次の日牛窓まで一緒に行ってきた。僕一人でもよかったけど“強制はしないけどもし行きたい人がいたらどう?”とスタッフにも声を掛けたら、3人来てくれた。外部の関係者にも声を掛けたら、関わっている訪問看護師さんとケアマネさんも来てくれた。
当日は、患者さんはストレッチャーの状態で介護タクシーを使って行って、カフェに着いたら、アイスクリームを食べられて、カフェオレを飲まれて、、、すごくいい顔をされていた。
患者さんにすごく感謝されて、本当によかったなと思った。
後日、患者さんに“先生たちの自由な時間をわたしのために使ってもらってごめんなさい”というようなこと言われたけど、“そうじゃないよ”と言いました。その方はその1週間後にお亡くなりになられたけど、最後のご希望をかなえてあげられた、それがやりがいになっている。』
今、患者さんの依頼で多いのが、『入院してしまったら家族に会えなくなるのでお家で過ごしたい』ということだそうです。新型コロナウイルスの影響もあり、残された時間が限られた方からのご依頼がとても増えているそうです。
そういった声を断ることなく、きちんとこたえていけるような組織づくりをしていくことが目標、とお話しくださいました。
1番伝えたいことは、みなさんがまだ在宅医療を知らないということ。だから僕たちは在宅医療、訪問診療ってこんなものなんだよということを知っていただきたい。そのためには本を読んでほしい。実は、在宅医療って思ったよりみなさんの身近にあって、いろんなことができるんです。
このコロナ禍の中おいて、1人1人の人生の大事な時期を過ごす上で、1つの選択肢になるようなものであってほしい。
自宅で笑顔で過ごすことができる。そのために僕らはやっています。
その後に先生の本を読んだので、いろいろと思うことがありました。在宅だったら最後に会えたのかもしれない…と、それだけが心残りです。
先生の本に、お雑煮のレシピが載っていて、終末期の患者さんでもお雑煮が食べられるんだ!とビックリしました。本物のお餅とは違うけど、でも自分の家でお雑煮を食べられるって、とても幸せなことですね(^^)